明日はいよいよ期末テスト。一夜漬けのツケが回ってきたみたいに、瞼が鉛のように重い。
(…もう、無理だなぁ)
諦めかけた時、ふと、気配を感じた。微睡みの中で薄目を開けると、そこには信じられない光景が広がっていた。
古ぼけた畳の上を小さな小さな人たちが楽しそうに行進している。手のひらに乗るくらいの小さな体で、色とりどりの衣装を身につけ、何か話しているみたい。
(え…? なに、これ…?)
夢か現か、曖昧な境界線。まるで万華鏡を覗き込んだみたいに、幻想的な光景が目に飛び込んでくる。
(…楽しそう・・・)
(…まあ、いっか)
一夜漬けのテスト勉強で覚えられそうにないあきらめ感で押しつぶされそうだった私の心が、ふっと緩んだ。彼らの楽しそうな雰囲気をみているだけで、なんだか私も楽しくなってきた。
(…私も、仲間に入れてもらおうかな)
そんなことを考えながら、私は再び目を閉じた。楽しい気持ちが伝わって心が温かくなった。
